僕らは「少年」探偵団

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かれこれ半世紀程前、漫画誌業界では…月刊「少年」が黄金期を謳歌していました。

「少年」

鉄人28号鉄腕アトムを連載漫画の柱に
桑田次郎白土三平寺田ヒロオ堀江卓関谷ひさし一峰大二小沢さとる藤子不二雄我孫子さん)、石森章太郎九里一平、後に赤塚不二夫さいとうたかを等々、今では超一流の面々が脇からも誌面を固め、ギャグ系も名作が揃っていました。

この布陣だけで漫画誌の王道は揺るぎないものと言えますが、

まだ「少年」には強みがありました。

小説、挿絵画家も一流作家が連なり
中でも核となってたのが
江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズの連載でした。

少年探偵団と云えば今やポプラ社が浮かび、戦前の「少年倶楽部」連載と云う知識がありますが

五十年前のこの時期は
少年探偵団は「少年」誌が一手に発信元だったのです。

「少年」誌上で新作の連載が発表され(①)
全集単行本も「少年」の社から出版(②は「少年」誌上での広告)

この頃、続いてテレビドラマ化されたのを受け… 
ドラマ「怪人二十面相」の時が藤子不二雄Aで、「少年探偵団」が大野ゆたかでコミカライズ連載されています。
つまり
「少年」誌では、新しい小説だけでなく、漫画版も同時に掲載されていました。
また、「江戸川乱歩先生出題」と銘うたれた「少年探偵団クイズ」と云う二頁の漫画による謎解き懸賞も毎号載りました。(てことは「少年探偵団」だけで、小説・漫画・クイズの三本立てなんです

付録にもよく「探偵セット」や「少年探偵手帳」がつけられました。(③は来月号予告頁の手帳)

冬の増刊号は毎年「探偵ブック」の名が付けられていました。(夏は「スリラーブック」)

それにグッズ展開も「少年」の社からされており「少年探偵手帳」や「BDバッジ」が商品化され、人気アイテムとなっていました。
 
ざっと振り返って見ただけでも、いかに「探偵」が少年達の憧れの職業として浸透していたかがよく解りますね。

それを表す様に当時のヒーローの多くは探偵をしています
月光仮面」の祝探偵、「七色仮面」の蘭探偵、「鉄人28号」の正太郎に、少年ジェット、まぼろし探偵
週刊誌時代の「8マン」の東探偵にまで及びます。

当時の読者世代がおじさんになった今も
テレビのサスペンスが人気なのもあながち無関係ではないかも知れません。

ただ、
二十面相を正面から扱ったドラマがほとんど無いのが私的には長年の不満ですが…。