柔道・金メダル
柔道・金メダル獲得
と言っても現実の事ではありません。
金メダルを取ったのは、風巻 竜・ハリス流無段。
漫画の中の話です。
しかしこれは案外たいへんな偉業かも知れません。
主人公がオリンピックを目指す漫画は過去多く描かれてきましたが
その険しい道程ばかりが記憶に残り、あげく…出場する前の段階で最終回を迎える作品の如何に多い事でしょうか?
そのタブー的未踏の域にあえて踏み込んだ稀有な例が
本作『ハリス無段』だと思うのです。
オリンピックの舞台で、幾つもの闘いを経て
遂に金メダルを獲得します。
そんな漫画があったでしょうか?
本作の舞台、東京オリンピック、柔道競技で金メダルを取る→その枠ではおそらく本作の風巻竜、ただ一人かと思います。
現実の世界的大舞台に漫画の主人公が参加してチャンピオンになる…
裏を返せば巨大な現実を排除しなければならない作業でもあります。
それを描ける作家がどれだけいるのでしょう。
だからこそ、
これはある意味偉業だと思うのです。
一部ながらもオリンピックの現実否定
もしかするとアニメ化の話が流れたのも
このあたりにあるとしたら、、??
今はもう闇の中ですけれど。
あと
本作年度は東京オリンピック。
現在との違いに(アマチュア規定)があります。
当時はオリンピックにプロ選手は参加出来ませんでした。
作中でこの規定も上手く話に組み込まれ、
主人公がオリンピックに出場出来なくなる危機も描き、話に幅を加えています。
必殺技の名前も
「五輪回転投げ」、、、
そんなの他の漫画に無いよね