藤山竜一～竜へのバトン(9)

＜辰年にちなむ…９＞

●藤山竜一さん

俳優・藤山竜一…
『七色仮面』に登場する迷探偵・金有左門を演じた方です。

「コメディリリーフ」と云う言葉があります。

七色仮面のような懐かしのヒーロードラマの中で
コミカルシーンを担当する役割です。

「月光仮面」には五郎八とカボ子、「まぼろし探偵」には黒星十郎、「風小僧」には八田陸斎、「少年ジェット」には頓田紋太

そして「七色仮面」には金有左門と新井三子と云う訳です。

コメディリリーフには「緊張の緩和」と云う役割があります。…シリアスばかりでは幼少視聴者には視聴持続が難しい、そこで笑いを入れるんですね。

もう一つの役割は
原作漫画と比べてドラマは話の消費速度が早い…
つまり、
それを緩和すべく「時間稼ぎ」の役割も担っています。


その重責を担う彼らの中でも最高峰と噂されるのが
金有左門なのです。

その証拠に

作者の違う番組「ナショナル・キッド」でも、金有左門・新井三子を模したコンビを出しているくらいです。
(いっその事、オリジナルキャストでカメオ出演にしてくれればどんなに、ファンは喜んだ事でしょう！)

演じられた藤山さんは
七色仮面以前から映画・テレビに出演されていますが、氏の活躍期に対して若年の私にとっては、
やはり代表作は金有左門…。
あの
とぼけた味はかなりのものだと思います。

ただし
その道ばかりではない証拠に、
「隠密剣士」２では村の代表者。
「遊星王子」３では悪人に命を狙われる外国の首相。
…と、シリアス路線が本道だった様でもあり、。それだけに、実際のコメディアン達も演じた多くのコメディリリーフ達を押さえてトップクラスに君臨するとは…恐るべし芸幅！讃えるべし藤山竜一氏！…なのです。

…悪人を前にしてビビりながら拳銃に見立てた大根を手に、金有探偵は言います。

「ディアコ～ン！ジィアスタ～ゼ～！」

あの時代にジアスターゼが口に出るとは…

金有左門先生…
意外に大物なのでは？…と、思ったりしたものです。